僕が切るシャッターの音、リズムやペースは、被写体の方が「私はこのままでいいんだ」と感じられる共感的な意味を持つもの。
その撮影過程から被写体の心の小さな変化をシンプルかつ繊細に描写することで深く意味のあるポートレートになるのだと思います。
この状況においては撮りて側であるフォトグラファーのエゴや意図は一切必要なく、それを行うためにはフォトグラファー自身が普段から自分と向き合っていることが大切です。
人の心は「ストローク」がないと生きていけない。心理学用語で「存在認知」とも言われるその定義とは「あなたがそこにいることを、わたしは知っている」。存在認知(ストローク)をコンセプトに私が撮影するポートレートは、人が自分の存在を生きるためのきっかけや気づきを得るものでもあり、ポートレートを見る側との信頼関係の構築やストロークの交換を目的としたものでもある。その写真の可能性はプロフィール写真のみならず、グリーフケアのサポートや自他を含める大切な人に宛てた深いストロークとメッセージであり、多くの人々に貢献できるものであると考えている。
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